子宮鏡検査、
子宮卵管疎通性検査

子宮鏡検査

子宮鏡検査とは

子宮鏡検査とは、子宮の内部を直接観察するために、子宮の中に3~5ミリの細いカメラを挿入して検査をするものです。
通常麻酔をせずに検査をすることが可能で、所要時間は約10分程度です。
この検査によって以下のことを確認することができます。

①子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫といった、腔内病変の有無
②子宮体がん等の悪性疾患の有無
③卵管口の状態

子宮鏡検査はどのような患者様を
対象に検査しているの?

生理の出血の多い方や不正出血のある方、および不妊症の方を対象に検査を行います。
このような方の場合、子宮の内腔(子宮内の妊娠で使用する部分)が子宮筋腫や子宮内膜ポリープといった病気にかかり、歪んだ形になっている場合があります。
子宮鏡検査によって直接子宮の中を観察しますので正確な診断が可能です。
また子宮体がんや子宮内膜増殖症などの前がん病変の状況を調べるためにも、この検査を行います。

下記該当する方は検査する場合があります
  • 子宮鏡下筋腫切除後の子宮内腔観察
  • 子宮内膜ポリープの有無診断
  • 子宮鏡下選択的卵管通水の前にポリープ等がないことを確認するため
  • 流産、中絶後遺残絨毛組織の診断
  • 粘膜した筋腫の有無・筋腫による内腔変形の状態の観察
  • 不正出血の原因検索
  • 不育症検査(先天的ないし後天的)子宮形態異常の診断
  • ART(生殖補助医療)反復着床障害の原因検索の一環
  • ART(生殖補助医療)での胚移植前のスクリーニング検査
  • 一般的な不妊原因のスクリーニング検査

子宮鏡検査は痛みがある!?

患者様の中には、子宮鏡の挿入時および観察時に痛みを感じる方もいらっしゃいます。

ご希望により子宮への局所麻酔も行うことができます。

子宮鏡検査より見つかる疾患

  • 子宮粘膜下筋腫
  • 子宮奇形(特に中隔子宮)
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮腔癒着症

など

子宮の壁は、粘膜あるいは内膜、筋層、漿膜からなっています。
粘膜下筋腫や内膜ポリープがある場合、生理に直接関連している内膜に腫瘍ができるため、不正出血、過多月経、過長月経などの症状がみられます。
特に粘膜下筋腫では、過多月経により日常生活に支障が出るような貧血になることも珍しくありません。
さらに妊娠中胎児が成長する子宮内膜のうち、子宮の内腔に異常があると上手く着床・発育しにくくなり、不妊症や不育症の原因になることがあります。
子宮奇形で子宮内腔の形に異常がある場合、子宮内腔に癒着がある場合なども当てはまります。

生理中は受けられない?
子宮鏡検査を行う時期

直前の生理が終わった直後から、次の生理の10日前までに検査をすることが望ましいです。
出血がある場合は原則検査できません。
生理の周期が不順な方や、生理の時期が長い方はまずご相談ください。
無月経の方(薬で生理を止めている方や閉経後の方を含む)はいつでも検査を行えます。

子宮鏡検査の流れ

1検査当日

ご来院後、検査に関するご説明をし、同意書を受け取ります。
順番となりましたら検査を行います。

2検査開始

まず経腟超音波検査を行い、消毒、子宮鏡検査を行います。
子宮鏡検査は数分で終了します。

3検査後

子宮鏡下手術を当院で希望される場合は、術前検査を行います。
卵管水腫や卵巣に子宮内膜症性、嚢胞(チョコレート嚢胞)がある場合には検査後に抗生剤点滴を行うことがあります。

検査前後の注意点

検査前の注意点
  • 検査に適した服装(着脱が容易なもの)でご来院ください
  • 検査の2時間前から検査終了までは排尿しないようにしてください
  • 検査当日の食事の制限はありません
検査後の注意点
  • 検査当日の入浴は避け、シャワーのみとしてください
  • 検査当日は終日過激な運動を避けてください
  • 出血の量、腹痛および発熱の有無に注意してください

子宮鏡検査費用

項目 費用
子宮鏡検査 保険:3,000円
自費:8,800円(税込)

※別途、抗生剤点滴や鎮静剤、抗生物質薬の費用が発生することがあります。

子宮卵管疎通性検査

子宮卵管疎通性検査とは

不妊症の検査の一つで、子宮の入り口である子宮頸管から子宮、卵管の方に造影剤や生理食塩水を流して子宮の形や卵管の通過度合いや、卵管周辺の異常の有無などを検査します。
当院では、超音波子宮卵管通水検査(フェムビュー)を行います。
超音波子宮卵管通水検査は保険適応がないので自費になります。

子宮卵管疎通性検査はどのような
患者様対象に検査しているの?

不妊症の方、子宮の形の異常や子宮内腔の異常、卵管の通過性、卵管周囲の癒着の疑いがある場合に検査を行います。

子宮卵管疎通性検査は
強い痛みがあると聞くけど…

個人差はありますが、生理痛のような痛みを感じたり、一時的な気分不快になることがあります。
しかし、この検査は女性が自然妊娠をするうえで、精子と卵子が出会うための通路である卵管の通過性を調べるための、非常に重要な検査です。
子宮の形を確認するという目的もあります。
そういった目的のための検査ですので、是非ご理解いただければと思います。

痛みが発生する原因
  • 子宮内にチューブを固定する時
  • 液体を注入する時

造影剤を使用する場合は、造影剤の刺激が強かったため、痛みを感じることもありましたが、超音波子宮卵管通水検査では造影剤を使用しませんので、あまり痛みは感じません。
ただし子宮が膨らんだり、生理食塩水が流れたりする時の圧迫感や違和感を痛みと感じる場合もあるようです。

子宮卵管疎通性検査を
受けるメリット

1.妊娠しやすくなる

卵管に液体を通過させることにより、卵管の通りや働きが良くなり、妊娠しやすくなります。

2.治療的な効果が期待できる

検査により、軽度の詰まりがあった場合でも卵管の通りが良くなるため、治療的な効果が期待できます。

3.大切な妊娠期間を逃さない

自然妊娠が可能かどうかわかることで、大切な妊娠期間を遅らせることがなく、適切な時期に適切な治療を受けられるようになります。

※子宮卵管造影検査の副作用や合併症について
腹膜炎感染予防のため、抗生物質が処方されますので、当日服用してください。
非常に稀ですが、造影剤によるアレルギー症状や肺塞栓などがあると言われています。
なおX線による被ばくは非常に少なく、卵巣機能への影響はありません。

4.超音波子宮卵管通水検査(フェムビュー)のメリット

レントゲンを使用しないため、卵管や子宮が被爆する心配はありません。
X線ヨード造影剤も必要ありませんので、甲状腺機能異常のある方でも施行することができます。

注意事項
  • 生理開始から検査当日までは避妊をしてもらいます。性交渉をとられた場合は検査を中止させて頂きます。
  • 腹膜炎感染予防のため、抗生物質が処方されますので、当日服用してください。

子宮卵管疎通性検査を
受ける時期のポイント

直前の生理が終了する7日目から次の排卵前までの間に実施します。

検査が出来ない方
  • 妊娠の可能性のある方
  • 1年以内に子宮頚部のクラミジア抗原検査を受けられていない方

超音波子宮卵管通水検査の流れ

超音波子宮卵管通水検査の流れは以下の通りです。

1検査当日

体調不良・発熱がある方は検査ができません。
スカートでお越しいただくとお着替え等がスムーズです。
金属のアクセサリーやファスナー、ボタンのある服はお控えください。
検査当日の食事の制限はありません。

2検査開始

検査の流れは以下の通りです。

  1. 消毒・チューブ挿入
    子宮内の入り口からカテーテルを挿入します。
  2. 子宮内へ生理食塩水を注入
    フェムビューという器具を用いて生理食塩水と空気の混合液を子宮腔内に注入していきます。
  3. 超音波検査撮影
    この混合液の流れ方を見て、両側の卵管の走行や、卵巣と卵管との位置関係を観察します。
    左右の卵管が狭窄・閉塞していないか超音波を見ながら調べます。

3検査後

検査当日は感染予防のため、入浴は避け、シャワーのみとしてください。
検査後に腹痛や発熱がある場合は、必ず当クリニックにご連絡のうえ、受診してください。

検査前後の注意点

検査前の注意点
  • 体調不良・発熱の症状のある方は検査できません
検査後の注意点
  • 検査当日は感染予防のため、入浴は避け、シャワーのみとしてください
  • 2~3日出血が続く場合があります。自然に止まりますので心配ありません
  • 検査後に腹痛や発熱がある場合は、必ず当院にご連絡の上、受診してください
  • 検査終了後、5日前後出血が続く場合があります
  • 骨盤腹膜炎を起こす可能性があります。38度以上の発熱や強い腹痛がある場合はご連絡ください

超音波子宮卵管通水検査の費用 

項目 費用(税込)
超音波子宮卵管通水検査 7,700円

※別途、抗生剤点滴や鎮静剤、抗生物質薬の費用が発生することがあります。
※X線での子宮卵管造影検査を希望される場合は、滋賀医科大学医学部附属病院に紹介します。
(X線での子宮卵管造影検査の費用(保険適応あり):6,000-8,000円(3割負担の場合))

お問い合わせ tel:077-598-6573 24時間対応 WEB予約