卵巣腫瘍・卵巣嚢腫

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)とは

卵巣は子宮の左右両側にあり、約2~3cmほどの大きさです。
この卵巣に腫瘍ができた状態が卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)です。
卵巣では卵子が育つほか、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモン分泌を促します。
卵巣腫瘍には、腫瘍の発生要因によって表層上皮性、間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに分類され、それぞれ良性、境界悪性、悪性などに区別されます。

卵巣腫瘍と卵巣嚢腫との違い

卵巣腫瘍には、良性、悪性、境界悪性があります。
卵巣の腫れ方によって、袋状で水が溜まったような状態を嚢腫と言います。
卵巣嚢腫のうち、ほとんどのケースが良性ですが、ごく稀に悪性であることがあります。
また、その多くは無症状のため、卵巣は肝臓と同様に「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

卵巣嚢種の種類

卵巣嚢腫には、その発生起源によって表層上皮性、間質性腫瘍(結合組織)、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍(卵細胞)などに分類されています。
卵巣嚢腫には多種の分類がありますが、主な卵巣嚢腫は以下の通りです。

漿液性嚢腫

  • 左右両側に起こることが多い
  • 円形、または楕円形に発育する
  • 内容液はサラサラと漿液性で、無色または淡黄色

粘液性嚢腫

  • ほとんどが片側に起こる
  • 円形、または楕円形に多胞性に発育することが多い
  • 非常に大きく育つことがある
  • 内容液は粘液性

成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)

  • 両側に起こることがある
  • 若い女性に発症することが多い
  • 内容物には脂肪・骨・軟骨・歯・毛髪などが含まれる
  • 卵巣嚢腫の約10~15%を占める

子宮内膜症性卵巣嚢種(チョコレート嚢種)

月経の度に子宮内膜様組織から卵巣内に出血が起こり、それが排出できずに卵巣が腫大します。
本来、子宮内にあるはずの子宮内膜が卵巣に発生し、増殖を繰り返して起こった状態で、不妊症や月経痛を起こす原因となります。
なお、40歳以上で5cm以上大きい場合は、手術治療を検討します。
特に30~40の代女性に多くみられ、40歳以上になるとがん化するリスクが高まります。

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)の
初期症状はほとんどない!?

卵巣嚢腫が小さく、無症状の場合がほとんどです。
腫瘍が大きくなったり、腹水が溜まったりすると症状が現れます。
主に、腹部膨満感、頻尿、下腹部痛などが起こります。
また、重症化すると腫瘍が破裂したり、腹部内で捻じれる茎捻転を起こして強い下腹部痛が突然現れたりすることがあります。

このような症状がある場合は
当院へご相談ください

  • 下腹部に触れると、しこりのような膨らみがある
  • 下腹部痛や腰痛が現れる
  • 太ってないのに、下腹部が膨らんできた
  • 便秘や頻尿が気になる
  • 経血量が急激に増えたり、月経痛が強くなったりする

上記のような症状が気になる方は、卵巣の病変が疑われます。
一度、平田レディースクリニックまでお気軽にご相談ください。

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)の原因

漿液性嚢腫・粘液性嚢腫いずれも特定できる原因が分かっていませんが、卵巣や卵管の表層が腫脹し、水分や粘液が内部に侵入したことが原因です。
また、子宮内膜症性卵巣嚢腫は、本来子宮にあるはずの子宮内膜が卵巣で増殖を繰り返して起こり、月経血が排出できずに卵巣内に溜まります。
皮様嚢腫もはっきりとした原因はわかっていませんが、受精していないのに卵子の細胞が分裂が起こり、それが途中で止まったために皮膚や毛髪成分が腫瘍化すると言われています。

検査・治療

【検査】

内診・超音波検査のほか、CT検査・MRI検査・腫瘍マーカーなどで検査を実施します。

【治療法】

腫瘍が良性の可能性が高い場合や小さい場合は、まずは経過観察を行います。
卵巣を切除するかどうかは、腫瘍の状態や種類、年齢、妊娠の希望があるかどうかで決まります。
ただし、腫瘍が6cmぐらい大きくなると、茎捻転を起こすリスクが高くなるため、手術を検討します。

挙児希望のある方の場合は、病巣のみ摘出する腹腔鏡手術を行います。
悪性の可能性がある場合は、開腹手術を用いて卵巣を摘出します。
なお、卵巣を摘出する場合は、なるべく片側の卵巣は残すように治療を行います。
また、腫瘍が非常に大きく、癒着が酷い場合、閉経を迎えた方であれば卵巣、卵管、子宮を摘出します(子宮・付属器摘出術)。

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