月経のお悩み・異常
月経(生理)とは妊娠のために子宮の内側を覆う子宮内膜が、一定の周期で血液(経血)と一緒に体外に排出される現状です。この月経で様々なトラブルが起こることがあり、月経不順 (生理不順)、月経困難症(生理痛)、月経前症候群(PMS)などでお困りの女性はたくさんおられます。
平田レディースクリニックでは、月経のお悩み・異常に対して適切な治療を行わせていただきますので、お困りの症状がございましたら一度ご相談ください。
月経不順(生理不順)
月経不順(生理不順)とは
月経不順(生理不順)とは、月経の周期が乱れている状態のことです。一般的に月経周期は25~38日、周期変動は6日以内、持続は3~7日とされていますが、これに当てはまらない場合、月経不順と診断されます。
月経不順(生理不順)の原因
月経不順(生理不順)の原因として、次のようなことが考えられます。
排卵の遅れ
排卵の遅れによって月経周期が乱れることがあります。
2ヶ月以内に排卵を伴う月経が起これば、治療せずに済むケースもあります。
排卵せずに出血している
排卵せずに出血することで、月経不順(生理不順)が生じる場合があります。
月経不順(生理不順)の種類
月経不順(生理不順)には次のような種類があります。
稀発月経
月経の周期が39日以上になった状態です。
頻発月経
月経の周期が24日以下になった状態です。
頻発月経になり、1ヶ月にうちに2回月経が起こることもあります。
過長月経
月経が8日以上続く状態です。
過短月経
月経が2日以内に終わる状態です。
経血量が著しく少なくなる過少月経を併発するケースが多いです。
月経不順の治療法
検査結果に応じて適切な治療を行います。
月経困難症
月経困難症とは
月経困難症とは、月経に伴い腹痛や腰痛、頭痛、吐き気・嘔吐などの症状が現れる状態です。通常、月経が終わるとこれらの症状は軽減されたり、なくなったりします。
いわゆる生理痛や月経痛と呼ばれる症状が、これに当たります。
月経困難症の分類
機能性月経困難症
月経困難症が機能性月経困難症に該当し、下腹部痛や頭痛などの症状が起こります。
器質性月経困難症
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの病気が原因で起こる月経困難症です。
下腹部痛など様々な症状が起こります。
① 子宮内膜症
子宮以外の部分に子宮内膜、あるいはそれに類似した組織が生じる疾患です。
② 子宮腺筋症
子宮内膜に類似した組織が子宮平滑筋組織に生じる疾患です。
③ 子宮筋腫
子宮壁の筋肉の一部が異常に増殖した状態です。
良性腫瘍で、はっきりとした原因はわかっていません。
月経困難症の原因
プロスタグランジンが過剰に分泌されている
子宮を収縮させる作用があるプロスタグランジンが、過剰に分泌されることで月経困難症が起こる場合があります。
子宮口の狭さ
子宮口が狭いため、経血がスムーズに排出されず、痛みが生じる場合があります。
ストレスなどの心理的要因
ストレスなどの心理的要因が原因で月経困難症が起こることがあります。
冷え・運動不足
冷えや運動不足により血流が悪くなり、痛みが起こりやすくなる場合があります。
月経困難症の治療法
鎮痛剤や鎮痙剤などを処方して、症状の軽減をはかります。
そのほか、低用量ピル、黄体ホルモン製剤、抗不安薬、漢方薬を処方したり、温熱療法を指導したりします。
なお、器質性月経困難症と診断された場合には、原因疾患に対して適切な治療を行います。
月経前症候群(PMS)
月経前症候群とは
月経前症候群(PMS)とは、月経が始まる3~10日前に、顔や手足のむくみ、腹痛、頭痛、体重の増加、食欲が増すなどの異常が現れる状態です。通常、月経が始まるとこれらの症状は軽減されるか、なくなります。
月経前症候群の原因
月経前症候群(PMS)の主な原因の1つとして、黄体ホルモン(プロゲステロン)の変動が挙げられます。
女性ホルモンの一種である黄体ホルモンが変動することで、身体的な異変・症状だけでなく、自律神経の乱れなどを引き起こします。
月経前症候群になりやすい人の特徴
一般的な傾向として、生真面目・几帳面な性格の方に起こりやすいと言われています。
月経前症候群の症状
月経前症候群(PMS)の症状は、大きく「身体の症状」と「心の症状」に分けられます。
具体的には下記の通りです。
身体の症状
- お腹が痛い
- 頭痛がする
- のぼせる
- めまいがする
- 手足や顔がむくむ
- 腹部の張り
- 乳房の張り
- 全身倦怠感
心の症状
- 情緒不安定になる
- すぐにイライラしてしまう
- 不安な気持ちになる
- 抑うつ状態
- 食欲がわかない
- 食べ過ぎてしまう
- すぐに眠くなる
- 集中力が続かない
- 夜、眠れない
月経前症候群の検査・治療法
【検査】
問診にて症状を詳しくおうかがいするほか、血液検査や尿検査などを行います。
【治療法】
現れている症状に応じて、低用量ピル、抗不安薬、利尿剤などを処方して症状の改善をはかります。
月経前症候群の緩和・予防できる!?
月経前症候群(PMS)の症状は、ストレスや緊張、疲労などが関与して強く現れるようになる場合がありますので、リラックスして毎日を過ごし、しっかりと休息や睡眠をとるようにしましょう。
アロマテラピーや半身浴などでリラックスしたり、趣味に熱中したりするのも有効です。
また、基礎体温を付けて、次回の月経のタイミングには無理なスケジュールを入れないようにするなどの工夫も大切です。
過多月経(月経量が多い)
過多月経とは
過多月経とは、経血の量が多いため、普段の生活に支障を来すようになっている状態です。今までよりも多量の経血が出る場合には、子宮の病気も考えられますので、放置せずにお早めにご相談ください。
過多月経の検査
子宮の疾患などが原因で 過多月経が起こっていないか確認するために、超音波検査(エコー検査)や子宮がん検診を行います。
また貧血の有無を確認するために、血液検査も行います。
過多月経の治療法
子宮の病気が見つかった場合には、その病気に対して適切な治療を行います。
そのほか、症状に応じて低用量ピルの処方や、ホルモン剤の処方、ミレーナの挿入などを行います。
無月経
無月経とは
無月経は「続発性無月経」と「原発性無月経」に分けられ、続発性無月経は3ヶ月以上月経がない状態で、原発性無月経は18歳になっても初潮がない状態を言います。続発性無月経では過度なダイエットやストレスなど、原発性無月経では染色体の異常や子宮・卵巣の発育障害などが原因として考えられます。
無月経の診断・検査
続発性無月経の場合
症状を詳しく確認した後、血液検査や超音波検査(エコー検査)などを行います。
原発性無月経の場合
血液検査や超音波検査(エコー検査)にて子宮や卵巣に異常がないか確認します。
無月経の治療法
原因疾患が見つかった場合、それに対して適切な治療を行います。












